FC2ブログ

2010-06-26

一周忌

一周忌の法事のなか、喪主の英里は特段際立っていた。
同席の関係者のみならず、親戚までもが
英里の官能的な喪服姿を盗み見ては
法要読経の真っ最中にも、不埒な妄想に耽る者さえ居た・・・

「ふあ~~・・・」
「まぁまぁ、長いお経の法事だったからね、優斗君もおねむみたいね」
英里の息子に声をかけ手を取ったのは親戚の老年女性だ。
「すみません・・・叔母様、優斗をよろしくお願いします・・・」
「英里さんも大変ね、これからまた会社関係者の方々と精進あけの席ですって?」
「ええ・・いろいろと準備にも大変お世話になりましたし・・・すいません、叔母様」
「いいのよ、なんなら、今晩はうちで優斗君を寝かしてもいいから」
「すみません・・・ほんとうに・・あとで迎えに参りますから・・・」
「ママぁ、おやすみぃ…」
「優斗、いい子にね、叔母様や伯父様に迷惑かけちゃ駄目よ・・・」
親戚に連れられて行く一人息子を見送る。
送迎のバスで親族の帰りをエントランスから見送ると
間もなく入り口に黒塗りの高級車が滑るように現れ、後部ドアが自動で開いた。
英里は周りを気にしながら、その高級車の後部座席に身を滑り込ませた・・・


widow02.jpg

・・・・・

「もう、そろそろですかな」
「なにせ、今夜はとびきりの上玉とのことらしいですぞ」
「ほう・・それで入札額も今回は異例の7桁に?」
「一周忌あけとあって、だいぶ・・・仕込みがいいらしい」
「今回は子持ちのようですな・・・」
「ふふふ・・・だからいいのじゃよ・・・主催者はよぉくわかっておる、ワシらの好みを・・・」

ホテルの小間にはすでに招待券を大事そうに手にした10名以上の男たちが集って
グラスを片手に談笑しながら、「そのとき」を待っていた・・・






プロフィール

のいすか

Author:のいすか

最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
カテゴリー
FC2カウンター
カレンダー
05 | 2010/06 | 07
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 - - -
月別アーカイブ
リンク
ブログ内検索
RSSフィード
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる